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最近読んだ本の話
浅井真央コラム

2020.11.12
雑記

こんにちは、弁護士の浅井です。

前回のコラムに引き続き、趣味の話、最近読んだ本の話をしたいと思います。

前回のコラム以降、ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモサピエン全史』、テッド・チャン『息吹』、松本仁一『カラシニコフ』、井上理津子『葬送の仕事師たち』などを読みました。

読んだ本はジャンルも著者もバラバラなのですが、例外として高野秀行さんの著作があります。

高野さんの著作は夏から7冊読んでおり、今も8冊目を読んでいる最中です。

高野さんは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとしているノンフィクション作家です。

いくつも本を出していらっしゃいますが、その中でも私が特に面白いと思ったのが『腰痛探検家』です。

簡単にいうと、高野さんご自身の腰痛とその治療について書いた本です。他の著作は、例えばソマリアのような、日本人が滅多に行ったことのない国を取材したものであったり、東南アジアのジャングルを旅したりと、まさに「誰も行かない」「誰もやらない」ことなので、面白いのはある意味当然のようにも思えます。

一方、『腰痛探検家』は、「腰痛」という、ある程度の年齢になると多くの人が悩まされる、一見、普通の問題を扱っています。腰痛についてそんなに面白いことが書けるのだろうかと首をかしげるのですが、これがとても面白い。西洋医学、東洋医学、民間療法と様々な治療法を試していく中で、何故その治療をしようと思ったのか、そしてその治療から何を考えたのか、発想がどこか普通の人とは違う。他の著作だと、やっていることの派手さに目がいってしまうのですが、『腰痛探検家』は、やっていることは腰痛治療と地味なので、むしろ高野さんの考え方・物事の捉え方、そしてその文章の面白さがよりはっきり分かる気がします。

興味を持たれた方は是非、読んでみてください。