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2022年のまとめ
浅井真央コラム

2022.12.21
雑記

今年、特に後半は、コロナが流行ってから会えていなかった高校の友人や修習同期、大阪の同期・先輩にひさしぶりに会うことができました。また、周りでも、今年に入って、海外旅行・海外出張に行ったという話を聞くようになり、少しずつではありますが、以前の日常に戻ってきているのかなと感じることがでてきました。このまま落ち着いていけば良いなと思います。

 さて、私自身は、友人の結婚式や仕事で新幹線に乗ったくらいで、海外はもちろん、国内旅行にも行きませんでした。今年やったことというと、引き続き、自宅で読書、動画を見るといったところです。そのため、今年最後のコラムとして、やっぱり読書の話をします。

 今年も、大体80冊くらい読みましたが、特に面白かった本を3つ選ぶと、次の通りです。

植村直己著『青春を山に賭けて』

三浦英之著『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』

沢木耕太郎著『天路の旅人』

いずれの本も、感想を書くと、それだけでコラム一本分になってしまうので、またの機会にと思いますが、一言ずつ。

植村直己さんは、日本人初のエベレスト登頂者、世界初五大陸最高峰登頂者の登山家、冒険家として有名な方です。板橋区に植村冒険館があるということで、一度行こうと思いつつ、まだ行けていません。『青春を山に賭けて』は彼の半生を書いた作品です。植村さんが海外に飛び出したのは、1960年代、今から半世紀以上前になります。植村さんの熱量、行動力にもわくわくしますが、当時のアメリカやフランス、ケニアの様子も知れるところも非常に面白い部分です。

三浦英之著『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』は、第13回(2015年)開高健ノンフィクション賞受賞作品です。満州に存在した国立大学である「建国大学」の卒業生にインタビューをした作品です。建国大学の存在は、この本に出会うまで知りませんでした。明治維新以降の近現代史は、本来、特に知っておかなければならないのですが、知らないことが多々あり、学ばなければな、と思っているところです。

沢木耕太郎著『天路の旅人』。こちらは、つい最近読み終わりました。先日、たまたま空き時間に本屋に寄ったところ、平積みされているのを目にして購入しました。『深夜特急』の著者9年ぶりの新作とあれば、買わないわけにはいきません。ちょうど、11月に『深夜特急』全巻を読み直した直後だったこともあり、嬉しくなって購入後、翌日には読み終わりました。 第二次世界大戦末期に、内モンゴルからチベット、インドへと潜入した西川一三さんの旅を、西川さんへの1年間のインタビューと、西川さん自身の著書をベースに描いた作品です。旅行記が好きな方、内モンゴルやチベットといった地域に興味のある方に特におすすめです。

 3冊ともノンフィクションとなりました。自分が生きていない時代・国・人生を追体験するというのが、ノンフィクションの醍醐味です。

 現在読んでいるのは、角畑唯介著『裸の大地 第一部 狩りと漂泊』、シッダールタ・ムカジー著『がん-4000年の歴史-』、エマニュエル・トッド著『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』、開高健著『日本三文オペラ』、そして、昨日購入した、齊籐彩著『母という呪縛 娘という牢獄』です。読み終わる前に、別の本に目移りしてしまうため、全てを年内に読み終わる気はしませんが、そんなことを言っていると、延々と積読が増え続ける一方なので、順番に読んでいきたいと思います。