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相続・遺言

よくあるご質問

自分が一度も会ったことのない父親の違う姉がいることが判明し、財産管理能力もないことが分かったのですが、どうしたらよいですか?

弁護士からの回答

事例の紹介です。

【相談内容】

母が亡くなり、諸々の相続手続を行うため、戸籍を取り寄せたところ、自分が一度も会ったことのない父親の違う姉がいることが判明しました。その住所を調べると、遠方にあるグループホームのような施設であり、本人と意思の疎通が取れる状態ではありませんでした。施設関係者の方に協力をお願いしたのですが、相続手続について姉の代理はしないと言われてしまいました。ほかの兄弟とは、相続財産の分け方で話し合いがついていたのに、このままでは、遺産分割の手続を進めることができません。どうしたら良いでしょうか?  

【弁護士の対応】 

当事務所の弁護士から、施設の方に連絡をとり、お姉様の状況を確認しました。お姉様に関しては、ご自身で財産管理ができる状況でないことを確認した上で、方針として、お姉様に対し、成年後見人(遺産分割協議を始めとする財産の管理処分について、本人に代わって行う人物)を選任するよう、家庭裁判所に申立てを行う方針を決定しました。 

申立てに当たっては、依頼者および他の相続人との意見のすり合わせを行い、また施設の方、意見書を作成する医師に対しては、手続きの必要性や、実際にお姉様に与える影響などを丁寧に説明しました。その上で、裁判所には事前に、申立ての経緯を伝えるとともに、成年後見人に期待する役割について、申し送りをしました。 

以上を踏まえ、最終的に、弁護士が数十ページにわたる申立書面を作成し、裁判所に成年後見の申立てを行いました。  

【結果】 

申立後、ほどなくお姉様には成年後見人選任の審判が出され、成年後見人の協力を得ながら無事に相続手続を進めることができました。 

【弁護士所感】 

高齢化社会の進行により、相続人自体が高齢で物事の判断が付かないケースも数多く見られます。遺産分割の手続においては相続人全員の同意が必要なので、判断できない人が1人でもいると、手続きがストップしてしまうことが考えられます。 

そのような場合には今回のように成年後見人を選任するという方法があります。 

今回は遠方の施設だったため、遠方の裁判所に体する申立となりましたが、当事務所はこうした遠方のケースでも対応可能です。まずは、お困りのことがありましたら、相続について多様な事案を取り扱っている当事務所の弁護士にご相談頂ければと思います。 

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