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労働問題

よくあるご質問

私の会社では、会社の方針として、残業をしないよう厳しく言われています。もっとも、会社から与えられる仕事の分量はとても多くて、所定時間内において仕事を終わらせることは不可能に近く、月に相当程度の時間外労働をしています。この場合、私は時間外手当を会社に対して請求することが出来るのでしょうか。

弁護士からの回答

一概に請求できないとは言えません。
この点、裁判例において、時間外手当の算定対象となる「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間又は使用者の明示又は黙示の指示により業務に従事する時間であると解すべきものである。したがって、使用者の明示の残業禁止の業務命令に反して、労働者が時間外...業務を行ったとしても、これを賃金算定の対象となる労働時間と解することはできない。」とし、使用者の明示の残業禁止命令に反して行った時間外労働は、残業手当の対象外としています(神代学園ほか事件:東京高決平成17年3月30日労判905号75頁)。このような裁判例の考えによれば、本件の場合、会社に対して残業代を請求できないようにも思われます。
もっとも、上記の裁判例も、当該業務に要する時間や、業務時間内に業務が終了しない場合に他の従業員への引継ぎが命令されていた等の事情(代替措置)を考慮した上で結論を出していますので、会社から残業を禁止されているという事実だけで、直ちに残業代が請求できないとは考えられていません。
このように、具体的な事情によって、結論が変わりうるところですので、このような場合には、すぐに弁護士等の専門家に相談すると良いと考えます。

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