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労働問題

よくあるご質問

私は、一週間後の金曜日に休みたいと会社に対して年休を請求したのですが、休暇予定日の前日になっても会社側はそれに対してはっきりと回答してくれません。この場合、予定していた日に休んでも大丈夫なのでしょうか。

弁護士からの回答

年次有給休暇権の法的性質について、判例は、労働基準法の客観的要件(労基法39条1項:①労働者が6か月間継続勤務し、②全労働日の8割以上出勤する)を充足すれば法律上当然に発生する権利であるとしています(林野庁白石営林署事件:最判昭和48年3月2日民集27巻2号191頁)。そして、労働者が時季を指定することによって、年次有給休暇が成立すると考えられています。つまり、労働者による「請求」や、これに対する会社側の「承認」の観念は容れる余地がないものと考えられています。
したがって、上記労基法の客観的要件を充足している場合であれば、本件において、会社に年休を請求した時点で年次有給休暇が成立するので、予定していた日に休んでも問題ないと考えます(無断欠勤とはなりません)。
なお、会社側は、請求された日に年次有給休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」には、その時季を変更することが出来ます(労基法39条5項・時季変更権)。
しかし、本件の場合、会社はあなたに対してはっきりと回答していないだけで、年休の請求を「不承認」とした訳ではないと思われますので、予定していた日に休んでも格別問題はないと思われます。

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